誕生日。


 今日は私の誕生日である。
 おめでとう私。
 今朝、友人からメールを貰うまで忘れていた。その時には夫は既に出社した後だった。多分忘れているだろう。余りそういうイベント事に拘る性質では無いし。しかも自分でも忘れていた。昨日までは覚えていたのだが。まあ、覚えていたところで何があるわけでもない。まだ誕生日をメールで祝ってくれる友人がいるだけ良しとしよう。友人が極端に少ない私にも、祝ってくれる相手がいるのだ。一人だけど。まあ仕方ない。仲の良い友人は二人だけだ。
 取り敢えず誕生日だと気付いたら仕事をする気がなくなった。今日はしなくてもいいんじゃないかな。思うだけである。朝コンビニで買ったカフェオレを飲みながら思う。ケーキの一つでも買えばよかった。何で私プチシューなんて買ってるんだろう。食べたかったからだ。そうそう、食べたかった。じゃあいいじゃん。でも全然誕生日っぽくない。とはいえ、コンビニにいるときには誕生日のことなど頭から綺麗サッパリ抜け落ちていたのだから仕方が無い。カルボナーラが食べたくてコンビニに行ったのだが、余り美味しそうに見えなくて、結局オムハヤシライスにした。そしたら店員がスプーンではなく、箸を袋に入れていたことに、食べる直前に気付く。そんなものである。これを箸で食べるってあれか、カレーも箸で食べるのかと問いたい。問う機会は絶対無い。会社にあった、予備のスプーンで食べることにする。箸でも何でも、コンビニでもらえるものは取っておくに限る。味はまあまあだ。それよりも、買ったシュークリームをいつ食べるかが問題だ。朝食べようと思ったが、結局時間がなくて今に至る。今食べようか、ここまできたら三時まで待つか。いやそれよりも暑い。夏だ。暑い。クーラーがついていない。暑い。エコなんて地球には優しくても私にはちっとも優しくない。この暑い中、冷房なしって最早拷問である。当然仕事をする気になれない。尤も涼しくても同じである。言い訳は常に同じで新鮮味もなく、新鮮味が無いのは私も同じで、誕生日と言えど、三十二歳にもなれば、まあこんなものである。